8面 区の手続きや催し物の問い合わせ、がん検診の申し込みは、はなしょうぶコール 電話6758-2222 午前8時~午後8時 年中無休 ファクス6758-2223 電話番号の表記のない記事に関する問い合わせは、はなしょうぶコールへお問い合わせください。 葛飾区ホームページ http://www.city.katsushika.lg.jp タイトル 葛飾区伝統産業職人会まつり 職人の技に触れよう 同時開催 ●さつき展(JA東京スマイル葛飾さつき愛好会) ●復興支援福島県産農産物即売会(湯川村、会津坂下町、塙町) ●和菓子の販売(葛飾和菓子組合) 【日時】 5月24日(土)午前10時~午後5時 5月25日(日)午前10時~午後4時 【会場】テクノプラザかつしか(青戸7‒2‒1) 【担当課】商工振興課 電話3838‒5587 葛飾の伝統産業  江戸時代・明治時代から受け継がれている技術を駆使して作られる伝統工芸品。伝統の技を後世に伝えていくため、区では46品目を葛飾区伝統工芸品として指定しています。また、伝統工芸品の製造に20年以上携わり、高度の伝統的な技術・技法を持つ方を葛飾区伝統工芸士として認定しています。  職人会まつりでは、日頃接する機会の少ない職人と直接触れ合い、製品を手に取り、購入することができます。伝統工芸や技術を生かした新しい取り組みをより身近に感じることができる機会です。ぜひ、お出掛けください。 出展(販売)予定産業 22産業、25店が出店予定です 実演・体験 東京三味線・江戸ベッ甲・江戸切子 (体験は有料) 実演 江戸衣裳着人形・江戸打刃物・東京打刃物・江戸型彫 たわし・東京手描友禅・唐木細工・江戸木彫刻 体験 東京銀器 (体験は有料) 販売のみ 東京組紐・印伝・銅版仏画・印章ケース・飾熊手・硝子彫刻・象牙彫刻 展示のみ 江戸小紋・江戸更紗・江戸和竿 タイトル かつしかの暮らしと文化164 名人・三遊亭圓朝と葛飾  落語の歴史は古く、『今昔物語』や『宇治拾遺物語』などに残されている説話などがその源流ともいわれています。戦国の世になると、将軍や大名の側に仕え、世情などの講釈や話し相手をする「御伽衆(おとぎしゅう)」と呼ばれる役職がありました。  一説には、豊臣秀吉の前で話をして喜ばれた御伽衆の安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)という僧侶が元和9年(1623)に著した『醒酔笑(せいすいしょう)』が、現在の落語の演目にもつながるネタ本といわれています。安楽庵の話の特徴は、「落とし噺」といわれ、最後に落ちがつくことから「落語の祖」とも評されています。  江戸時代に入ると、人々を集め、もっぱら落ちのある滑稽話をする落語専門の話し手(噺家)が江戸・京都・大坂に登場します。天明から寛政の頃(1781〜1801)には、江戸で江戸落語中興の祖といわれる戯作家の初代烏亭焉馬(うていえんば)によって、新作が披露され、定期的に寄席が開かれるようになったといいます。さらに、文化・文政の頃(1804〜30)には、町に100軒を超える寄席ができるなど、江戸落語は隆盛を極めます。  幕末から明治にかけては、二代三遊亭圓生(円生)や初代三遊亭圓朝(円朝)をはじめとする多くの落語家が活躍し、滑稽な落とし噺だけでなく、人情噺、芝居噺、怪談噺などが生まれ、現代の落語へと引き継がれていきます。  中でも、圓朝は現代の日本語の形成にも大きな影響をもたらした人物として知られ、葛飾とも縁の深い人物でした。永井啓夫著『新版 三遊亭円朝』(青蛙社刊)によると、圓朝は天保10年(1839)生まれで、本名は出淵(いずぶち)次郎吉といいます。次郎吉の祖父は、出淵新左衛門盛房の長子大五郎といい、葛飾区新宿で農業を営んでいました。その後、圓朝の父となる長蔵が生まれます。長蔵は17、18歳の頃に出奔し、放浪の末、数年後、葛飾に戻り青戸村で暮らすようになります。青戸に居を据えた長蔵は、左官職人として働き、青戸生まれの女性と結婚後、居を湯島切通町(ゆしまきりとおしまち)の根性院横丁(現文京区湯島四丁目)に移しました。そこで生まれたのが次郎吉こと後の三遊亭圓朝です。その後、父の長蔵は音曲師として橘屋円太郎を名乗り、芸人となります。  このように、名人三遊亭圓朝の誕生には葛飾が大きく関わっているのです。それは、圓朝が創作した人情噺や怪談噺からもうかがうことができます。例えば「どうか亀有までやって、亀有の渡を越して新宿泊りとしますから」(『粟田口霑笛竹(あわだぐちしめすふえだけ)』)とか、「帝釈さまの手前の土手のところに駕籠屋がおりまして」(『真景累ヶ淵(しんけいかさねがふち)』)とあるように、代表作のなかに葛飾の地名や地理などが、数多く含まれているのです。  郷土と天文の博物館では、NPO法人葛飾アクティブ. COMと協働で、落語に親しみ、江戸東京の暮らしや文化を学ぶ「かつしか下町寄席」を年に3回行っています。次回は6月21日(土)です(6面参照)。ぜひ、お出掛けください。 (郷土と天文の博物館)