動物由来感染症
動物から感染する病気を知ってますか?狂犬病や重症急性呼吸器症候群(SARS)などのような、動物から人へと病原体が感染し、その感染によって起こる病気のことを動物由来感染症といいます。
人と動物の共通の感染症として「人畜共通感染症」や「ズーノーシス」と呼ばれることもあります。動物由来感染症には、人も動物も重症になるもの、動物は無症状で人が重症になるもの、その逆の場合など、病原体によって様々なものがあります。
どんな感染症があるの?
野生動物のペット化、人や動物の国際的移動や土地開発等による環境の変化などに伴い、新しい感染症が次々に見つかっています。世界保健機関(WHO)が、現在確認しているだけでも150種類以上の動物由来感染症があります。代表的なものは次のとおりです。
病名 | 感染源 | 感染経路 | 主な症状 |
---|---|---|---|
狂犬病 | 犬、猫、アライグマ等 | 感染した動物にかまれることによる。 | 咬傷部位の知覚異常、神経症状など。発症すると100%死亡する。 |
猫ひっかき病 | 猫 | 感染した動物のかみ傷、ひっかき傷による。 | 患部の発赤、潰腫。発熱やリンパ節腫大。 |
レプトスピラ症 | 犬・ねずみ | 感染したねずみの尿に汚染された水や土壌を介することによる。 | 個人差あり。悪寒、発熱などの軽症型から、黄疸、出血、腎不全を伴う重症型まである。 |
パスツレラ症 | 犬・猫 | 犬や猫のかみ傷、ひっかき傷による。 | 傷口が熱を持ち、腫れて痛む。 |
エキノコックス症 | キタキツネ、北海道で放し飼いをして感染した犬 | 虫卵に汚染された水や食物の摂取による。 | 上腹部膨満感、肝機能障害。 |
トキソプラズマ症 | 猫・家畜 | 猫の糞便が口に入る。または、感染した肉を食べることによる。 | 多くの場合無症状。妊婦や病気で抵抗力が落ちている人が感染した場合、流産や神経障害などを起こす。 |
オウム病 | 鳥類(セキセイインコ、オウム、ハト等) | 糞中の病原体の吸収、餌の口移しによる。 | 突然の発熱、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛等のかぜに似た症状。 |
Q熱 | 野生動物、家畜、ペットなど | 感染した動物の尿、糞や獣皮等に含まれる病原体を吸い込むことによる。 | 発熱(38度から40度)、頭痛、悪寒、筋肉痛など。 |
サルモネラ症 | 亀等、爬虫類、汚染食品 | 爬虫類に接触、または飼育箱を洗浄した手指などが口に入ることによる。 | 発熱、下痢、腹痛などの胃腸炎症状。 |
動物からうつる病気を予防しましょう!
日本での動物由来感染症の発生状況は外国に比べて比較的低いのですが、このような状況下でも犬や猫などのペットとは節度ある触れ合いを守ることが大切です。
犬の登録と狂犬病予防接種の実施
飼い犬には、生涯1回の登録と毎年1回の狂犬病予防注射が、狂犬病予防法により義務付けられています。
犬の登録と狂犬病予防接種の実施については「飼い犬について」をご覧ください。
過剰な触れ合いは控えましょう
病原体が動物の口やつめの中にいる場合があるので、口移しで餌を与えること、スプーンや箸の共用はやめましょう。
動物に触ったら、必ず手を洗いましょう
知らないうちに唾液に触れたり、傷口などに触ってしまうこともあるので、動物にさわったら必ず手を洗いましょう。
動物の身の回りを清潔に保ちましょう
シャンプーやブラッシングなど、ペットの手入れをしましょう。
糞尿は速やかに処理し、小屋や鳥かごなどもよく掃除して、常に清潔な状態で飼育しましょう。また、排泄物に触れた後は、手洗いを忘れずに。
室内で飼育するときは換気を心がけましょう
羽毛や乾燥した排泄物、塵埃等が室内に充満しやすくなります。
定期的に換気に努めましょう。
砂場や公園で遊んだら、必ず手を洗いましょう
動物が排泄をしやすい砂場や公園で土いじりをした後は、十分に手を洗いましょう。
野生動物の家庭での飼育はさけましょう
野生動物の病気については不明なことも多いので、一般家庭での飼育はさけましょう。
体に不調を感じたら、早めに受診しましょう
動物由来感染症に感染しても、風邪やインフルエンザなどに似た症状が出る場合が多く、病気の発見が遅れがちです。医療機関を受診する際は、ペットの飼育状態やペットの健康状態、また動物との接触状況についても医師に伝えましょう。
ペットの病気の早期発見を
ペットも定期健診を受けるなど、日常の健康管理に注意し、病気を早めにみつけましょう。また、ペットの飼い方、病気の予防、ワクチン接種などはかかりつけの動物病院に相談しましょう。
ペットが亡くなったら
飼っているペット(25キログラム以下の犬、猫、小動物)が死亡した場合、区の清掃事務所が引き取りにきてくれますが、「生ごみと一緒に焼かれてかわいそう」と自宅の庭等に埋めている方がいます。このような場合、破傷風等の原因となる土壌汚染が心配されますので絶対にやめましょう。
なお、清掃事務所に引き取ってもらった場合、動物死体として焼却するので、生ごみと一緒には焼却しません。
また、ペットの葬儀社というのもあるので、利用するのも一つの手かもしれません。
もっと詳しく知りたい方は
厚生労働省「動物由来感染症を知ってますか?」をご覧下さい。
よくいただくお問い合わせリンク
このページに関するお問い合わせ
保健予防課感染症予防係
〒125-0062 葛飾区青戸4-15-14 健康プラザかつしか内
電話:03-3602-1331 ファクス:03-3602-1298
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