結核とは
結核とは
結核とは、結核菌が原因となって起こる感染症です。
肺に炎症を起こすことが多い病気ですが、身体の様々な所に病巣を作る場合もあります。
現在では有効な治療薬があり、定められた期間きちんと服用するとほとんどの場合は治る病気です。
葛飾区の結核の状況
葛飾区の結核患者は、少しずつ減っているものの、国や東京都全体の平均と比べて多い状態が続いています。葛飾区では、毎年約80人が新たに結核と診断されています。
結核の主な症状
最初のうちは症状がほとんどありません。病気が進行すると、咳、痰、発熱(微熱)、体のだるさ、食欲低下などの症状が出ます。風邪の症状に似ているため結核を疑わず、受診や診断が遅れることもあります。体重が減ってきた、なんとなく食欲がない、寝汗をかくようになった等の症状にも注意をしましょう。
診断・治療が遅れると周囲へ感染を拡げ、長期の入院が必要となる場合があります。
2週間以上続く咳、痰、発熱は、結核を疑い受診をしましょう。
感染経路
結核菌はヒトを主な宿主とし、患者が咳やくしゃみをした際に放出される微細なエアロゾル(飛沫核)を吸入することでヒトからヒトへ伝播します(空気感染)。 手をにぎる、同じ食器を使うなどでは感染しません。
「感染=発病」ではありません
多くの場合、結核菌が体の中に入っても体の持つ抵抗力により体外へ追い出されます。しかし、結核菌が追い出されず体の中に残ることがあります。この状態を『感染』といいます。
感染だけであれば結核菌は、免疫により封じ込められ、仮眠(潜伏)状態となり、症状はなく、周囲の人にうつす恐れのない状態になります。
しかし、体の抵抗力の低下、体の衰え等で結核菌の増殖を抑えきれなくなると、咳・痰・発熱などの症状が現れ、『発病』となります。
- すべての結核患者が、他人にうつす可能性があるわけではありません
- 感染しても、発病するのは、10人に1~2人程度です
- 感染してから半年~2年の間に発病することがほとんどですが、感染から何十年も経過後に、免疫が低下して発病する人もいます
- 結核菌は、肺だけでなく全身の臓器にも発症します
早期発見の重要性
結核は早期に発見すれば、外来通院による治療が可能である場合があり、周囲に感染させる恐れが低くなります。
2週間以上咳・痰・発熱が続く場合は、医療機関を早めに受診しましょう。
結核の予防
結核の予防には、普段から健康的な生活を心がけることが大切です!
- 規則正しい生活・栄養バランスのよい食事を心がける
- 手洗い、うがいをこまめにおこなう
- 十分な睡眠をとる
- 適度な運動をする
- 定期的な健康診断の受診
(年1回職場の定期健康診断、住民健診等を受診しましょう) - 子供の結核予防にはBCG接種が有効
(葛飾区民の方は、生後1歳に至るまでであれば、区の費用負担で接種出来ます)
(1)健康診断
毎年、健診で胸部エックス線撮影検査を受けておけば、万が一結核を発病していても、早い段階で発見でき、軽症で済む場合があります。年に一度の健康診断を学校や職場健診、区の健康診査、特定健診等を利用して行いましょう。
感染症法では、結核の定期健康診断を実施すべき医療機関・学校及び福祉施設を定め、保健所への報告を義務づけています(感染症法第53条の2および53条の7)。
また、65歳以上の方は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」により、結核定期健康診断として年1回、胸部エックス線撮影検査を受けるよう義務づけられていますので、必ず健康診断を受けてください。
(2)BCG
乳幼児が感染した場合の重症化予防(結核性髄膜炎、粟粒結核 等の予防)を目的に、BCGの予防接種を行います。
結核の予防接種であるBCG接種の時期は、1歳になるまでとなっています。お子さんが1歳以上になると、公費でBCG接種はできなくなりますのでご注意ください。(例:5月10生まれの場合は、翌年の5月9日まで無料でできます)
標準接種期間は、生後5か月から8か月になるまでです。生後5か月になったら早めに接種しましょう。
参考資料
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このページに関するお問い合わせ
保健予防課 感染症予防係
〒125-0062 葛飾区青戸4-15-14 健康プラザかつしか内
電話:03-3602-1331 ファクス:03-3602-1298