腸管出血性大腸菌による食中毒予防について

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ページ番号1001987  更新日 令和5年7月6日

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 令和4年8月に京都府の食料品店で販売されていた「レアステーキ」と「ローストビーフ」を購入して食べた、子供から高齢者までの計23名が腸管出血性大腸菌O157に感染し、そのうち90代の女性が1名死亡する事件が起こりました。
 腸管出血性大腸菌による食中毒は、飲食店等だけではなく、家庭でも起こり得ます。特に高齢者の方やお子様は重症化する傾向があり、命にかかわることもありますので、正しい知識を身につけて感染を予防しましょう。

腸管出血性大腸菌とは

腸管出血性大腸菌O157

 大腸菌は、人や家畜の腸内に存在します。その多くが無害ですが、一部に病原性があって、人に下痢などの健康被害を引き起こすことがあります。腸管出血性大腸菌もその1つで、代表的なものにO157、O26、O11などがあります。

(特徴1) 強力な毒素をつくりだす!

ばい菌のキャラクター

 腸管出血性大腸菌は、腸管内で強力なベロ毒素を作り、人に出血を伴う腸炎等を引き起こします。乳幼児や高齢者が感染すると溶血性尿毒症症候群(HUS)を併発することがあり、重症化して死亡する場合もあります。
 平成23年4月に発生したユッケが原因の食中毒や、平成24年8月に発生した浅漬けが原因の食中毒では、患者の一部が腸管出血性大腸菌に感染した後、HUSを併発しており、その方々の中からいずれの事件も複数の死者が出ております。

(特徴2) 感染力が非常に強い!

食中毒に苦しむ人

 腸管出血性大腸菌は強い感染力を持ち、少量でも人に感染します。
 平成26年7月には、花火大会の露店で提供された冷やしキュウリがO157に汚染されたことにより、腸管出血性大腸菌食中毒が発生しました。この事件では死者は出なかったものの、患者数510名(うち入院114名)と、O157が原因の食中毒では過去10年間で最悪の事例となりました。

(特徴3) 潜伏期間が長い!

体の中で食中毒細菌が増殖している様子

 通常の細菌性食中毒の潜伏期間が数時間~3日程度であるのに対して、腸管出血性大腸菌感染症は4~8日と長いのが特徴です。そのため、原因食品や感染源が特定されにくいという特徴があります。

腸管出血性大腸菌による食中毒予防のポイント

(1)肉類は、十分に中まで火を通しましょう

よく加熱している様子

  腸管出血性大腸菌は摂氏75度で1分間以上の加熱で死滅するので、肉の中心部まで十分に加熱することが食中毒の予防になります。特にハンバーグなどは、内部まで菌が入り込んでいるため、中心部まで十分に火を通すようにようにしてください。加熱後の食品に菌をつけないよう注意することも大切です。

(2)焼肉やバーベキューの時には焼き専用の箸やトングを使いましょう

箸とトング

 生肉には病原性のある細菌に汚染されている恐れがあります。これらの細菌を口の中にいれないように、生肉用と加熱済み用とで箸やトングを使い分けましょう。

(3)生野菜を生食用として調理する前には、よく流水で洗浄するか、または食品添加物の次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう

野菜

 生野菜には、土由来の細菌に汚染されており、腸管出血性大腸菌が付着している可能性もあり、よく洗浄しないで食べるのは危険です。野菜は十分な流水で洗浄することが望ましく、さらには、食品添加物の次亜塩素酸ナトリウムで正しく消毒することで、より一層、安心して召し上がれます。

(4)こまめにしっかり手を洗いましょう

手を洗う女の子

 腸管出血性大腸菌の感染者が用便後に正しく手洗いを行わないことによって、便に含まれる細菌が手を介して様々なものを汚染します。この細菌に汚染されたものから、直接または間接的に細菌が人の口から入ることによって二次感染が起こります。ヒトからヒトへの感染を防ぐためにも、帰宅時、調理前、食事前、トイレ使用後などには、石けんをよく泡立てて、流水でよく手を洗いましょう。

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このページに関するお問い合わせ

生活衛生課食品衛生担当係
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