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そのお肉、生食できるものですか??
食肉の中には様々な食中毒菌やウイルス、寄生虫がおり、中にはお客様を死に至らしめるほど恐ろしい菌も存在しています。そして、それらを生や加熱不十分の状態で提供・販売することは、お客様の命を危険にさらすことにつながるのです。
食肉は、食品衛生法(以下、「法律」と呼びます。)を踏まえて、
1「法律によって生食用の提供・販売ともに禁止されているもの」
2「法律では禁止されていないが、食中毒の危険性が高いもの」
3「法律によって基準が設けられ、生食として提供・販売が可能なもの」
の3つに分けることができます。
1 「法律によって生食の提供・販売ともに禁止されているもの」
牛レバー、豚(内臓・レバーを含む全て)がこれに当たり、生食用として提供・販売することが法律によって禁止されています。
(1) 牛レバー:内部にまで腸管出血性大腸菌(O157他)などの食中毒菌がいるため、生食できません。
(2) 豚(内臓・レバーを含む全て):E型肝炎ウイルスや寄生虫などにより食中毒になってしまう可能性があるため、生食できません。
2 「法律では禁止されていないが、食中毒の危険性が高いもの」
牛の内臓、鶏(内臓・レバーを含む全て)、馬の内臓、野生鳥獣肉(ジビエ)が、これに当たります。法律で禁止されているわけではありませんが、生食による食中毒事例が多数報告されており、生や加熱不十分の状態のまま提供・販売するのは非常に危険です。自治体によっては、これらの提供・販売に独自の基準を設けている場合もあります。
(1)牛の内臓(レバーを除く):腸管出血性大腸菌(O157他)やカンピロバクター、サルモネラ属菌などに高い確率で汚染されています。
(2)鶏(内臓やレバーを含む全て):カンピロバクターやサルモネラ属菌などに非常に高い確率で汚染されています。
(3)馬の内臓(レバーを除く):カンピロバクターに汚染されている可能性があります。
(4)野生の鳥獣肉(ジビエ)等:E型肝炎ウイルスや腸管出血性大腸菌(O157他)などに汚染されている可能性があります。
3 「法律によって基準が設けられ、生食用として提供・販売が可能なもの」
牛(筋肉)、馬(筋肉)、馬レバーがこれに当たり、法律によって規格基準と表示基準が定められているもので、基準を満たしていれば生食用として提供・販売することが可能になります。
生食用食肉(生食用として販売される牛の食肉(内臓を除く。))に関しては、平成28年に厚生労働省によって、違反時に罰則を伴うほど厳格な規格基準や、生食用である旨を表示する表示基準等が定められ、施行されました。これに加えて東京都では、それらの基準が厳守されるように、食品衛生法施行条例を改正し、生食用食肉の加工や調理を行うための具体的な施設基準を設けていますので、よくご確認ください。牛(筋肉)、馬(筋肉)、馬レバーであっても、基準を満たしたものでなければ、食中毒になる可能性があります。
また、牛肉を生食用として提供するには、生食用食肉の届出が必ず必要であるため、併せてご確認ください。
(1)牛の筋肉:腸管出血性大腸菌(O157他)などに汚染されている可能性があります。
(2)馬の筋肉・レバー:サルコシスティス・フェアリー(寄生虫)などに汚染されている可能性があります。
- 施設基準「食品衛生法施行条例 営業施設の基準 第三の準一」(外部リンク)
- 「生食用食肉(牛の食肉(内臓を除く。以下この目において同じ。)であって、生食用 として販売するものに限る。以下この目において同じ。)」の規格基準(外部リンク)
- 生食用馬肉の衛生管理「生食用食肉等の安全性確保について」(外部リンク)
- 「加工・調理する場合の規格基準(概要)」 ※詳しくは、厚生労働省のホームページへ(外部リンク)
- 「消費者庁が設定した表示基準」※詳しくは、消費者庁へ (外部リンク)
ただし、生食用として認められているものであっても、「必ず安全」ということではありません。牛レバーや豚肉などの加熱用食肉を取り扱った後、汚染された手指やまな板などの調理器具などを介して食中毒菌が付着し、生食用食肉などを汚染してしまうことがあります。そのため、調理・加工をする際は以下のことに注意して衛生的に取り扱ってください。
調理する順番、導線の確認
加熱用食肉などを扱った後に、加熱工程がない生食用食肉や、サラダなどの調理をすると、生食用食肉やサラダが作業台やシンクを介して食中毒菌に汚染されてしまいます。最終的に加熱工程がないものは先に調理するなど、作業する順番を工夫しましょう。
適切な手洗いと調理器具の洗浄
加熱用食肉を触った手や器具でサラダ用の野菜を扱うなど、食中毒菌で汚染されている可能性が高い手指や器具を、洗浄が不十分なまま使用することで、生食用食肉やサラダなどを食中毒菌で汚染させてしまう可能性があります。そのため、加熱用食肉を扱った後は、必ず手洗いをしっかりと行いましょう。
しっかりと加熱すること
食肉に存在する食中毒菌はその内部にまで入り込んでいることが多く、表面はよく加熱されているように見えても、中身は加熱不十分であったということも多くあります。そのため、表面だけでなく、中心温度計を用いて中心温度75℃以上・1分以上、しっかりと加熱されているかどうか確認してから提供・販売するようにしましょう。生や加熱不十分の状態で提供し、お客様自身に追加で加熱させる際は、「中心部までしっかりと(鶏肉や豚肉であれば、白っぽくなるまで、牛肉であれば茶色っぽくなるまで)加熱する必要がある」旨を必ず伝えましょう。
正しい低温調理をすること
様々な飲食店で低温調理をしているお店が増えていますが、正しい方法を知らずに行うことで、食中毒を発生させてしまう可能性があります。調理するときは、湯煎するお湯の温度や食肉の表面温度ではなく、食肉の中心温度が63℃以上で30分以上加熱する必要があるので、注意が必要です。例えば、鶏ムネ肉300gを63℃で低温調理する場合には、肉の中心温度が63℃まで上がるのに、平均68分、更に30分間63℃を維持する必要があり、合計で計100分ほど時間がかかります。※
(※ 内閣府 食品安全委員会ホームページ から引用
詳細につきましては、以下のリンクからご覧ください。)
下表は、食肉の種類別に生食できるかどうかを見やすくまとめたものです。
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